激薬連打

2026-05-26 · 12min READ

個人開発約3週間で薬剤師向けタイピングゲームを作った話

5月の連休明けから約3週間で『激薬連打』を個人開発。技術スタック、競合分析、締切設定、やる気維持の仕組み、インフラの苦労まで、3週間の中身を全部書きました。

  • #個人開発
  • #Next.js
  • #Claude Code

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個人開発約3週間で薬剤師向けタイピングゲームを作った話

こんにちは、しばやま(@shibayama_wks)です。

2026年5月、薬剤師・薬学生のための薬名タイピングゲーム『激薬連打(げきやくれんだ)』を、約3週間で個人開発しました。

ベータ版は 5/30(土)10:00 にリリース予定です。

🎮 激薬連打 LP: https://gekiyaku-renda.com/ ※ PCブラウザ専用です(モバイル非対応)

今日は「どうやって3週間で作ったか」を、個人開発者の方向けに書きます。

「なぜ作ったか」「何を作ったか」については別記事に書いているので、この記事は How (どうやって) に集中します。

実は、ゲーム開発は初挑戦だった

最初に正直に書いておくと、私は Web 系のエンジニアです。

これまで案件で書いてきたのは、業務系のWebアプリケーション(管理画面、API、データ集計など)が中心。ゲーム開発は、今回が初めての挑戦でした。

「自分にやれるかな?」「途中で詰まったらどうしよう?」という不安は、開発を始める前から正直ありました。

スコア管理、効果音、アニメーション、リアルタイムの入力判定…こういう「ゲームらしい要素」を作るのは、業務系開発とは別世界です。

ただ、結果的にはなんとか形になりました。これは Claude Code に伴走してもらえたことが、本当に大きかったです。

「ゲーム作るのは難しそう」と感じている Web エンジニアの方、思っているより手の届く範囲にある、と伝えたいです。

開発期間:3週間の区切り

ざっくりこんなタイムラインで進めてきました。

期間やったこと
5/9サービスコンセプト確定、X でリリース宣言
5/10-5/11Next.js を集中学習(基礎の復習)
5/12プロジェクト初期化、Vercel 本番デプロイ
5/13-5/15Supabase連携、競合分析、設計、MVP実装
5/16-5/17LP実装、インタビュー打診10人、デモ公開
5/18-5/22モード追加(病名・副作用名)、UI改良、アナリティクス導入
5/23-5/29最終調整、ドメイン取得、メールインフラ、ベータ版仕上げ
5/30🚀 ベータ版リリース予定

3週間というと短く感じるかもしれませんが、実際に作業可能な時間は、平日 朝活+夜活 で約3時間、休日でフルに使える日もある、という前提で進めています。

技術スタック

採用した技術は以下です。

  • フロントエンド・バックエンド: Next.js 16 (App Router) + TypeScript
  • スタイリング: Tailwind CSS
  • データベース・認証: Supabase
  • デプロイ: Vercel
  • 開発支援: Claude Code(フル活用)

普段の案件では PHP/Laravel が中心なので、Next.js での本格的な個人開発は、今回が初めてでした。

開発の前に「学習」した期間

コーディングに入る前に 2日間の集中学習 を入れました。

5/10-5/11 の土日で、Next.js の公式チュートリアル(Dashboard App)を一気に走らせた感じです。

勢いで始めるより、最低限の地図を持って始める方が結局速い」と判断しました。

React や Next.js の基礎は、案件業務で多少触っていたものの、自信があるレベルではありませんでした。学習(復習) → 実装 の順で進めたのは、結果的に良かったと思っています。

競合分析:寿司打と神速の打鍵術師

実装に入る前に、競合のタイピングゲームを徹底分析しました。

  • 寿司打: 国民的タイピングゲーム、お寿司を食べるゲーム性
  • 神速の打鍵術師: コンボ・連打感が強い、エフェクトと音が魅力的

実際に何度もプレイして、「面白さの理由」を細かく分解しました。

  • なぜ続けてプレイしたくなるのか
  • どんな効果音が「気持ちいい」と感じるか
  • スコア表示の見せ方
  • 失敗時のフィードバック

メモにまとめて、激薬連打の設計に取り入れていきました。

「面白さは分解できる」というのは、今回の個人開発で得た大きな学びです。

ユーザーインタビュー:10人に打診

開発と並行して、実ユーザーへの打診を10人 に行いました。

その内、薬剤師は3名です。

「リリース前に意見聞かせてもらえないかな」という打診です。

得られたフィードバックの中で、印象的だったのが、

「非常に面白い」(知人から)

このコメント。

自分が「面白い」と思って作ってきたものが、他人にも伝わった瞬間で、本当に嬉しい言葉でした。

ゲームの世界では、「作っている本人が楽しい」と「他人がプレイして楽しい」は別物です。最初の「楽しい」を他人からもらえた瞬間は、開発のモチベーションを大きく押し上げてくれました。

モード追加:自分で気付いた改善ポイント

最初は「薬名モード(一般名)」だけでリリースする予定でした。

でも、開発を進めながらプレイしているうちに、ある気付きがありました。

一般名だけだと、薬剤師・薬学生以外にはハードルが高すぎる。

寿司打のような「誰でもプレイできる入り口」が欲しい。

そう考えて、病名モード副作用名モードを追加しました。

  • 🩺 病名モード: 疾患名(薬学生・看護師等にも馴染みあり)
  • 💊 副作用名モード: 副作用の名称

3モード構成にすることで、薬剤師・薬学生以外の医療職や、薬の世界に興味ある人にもプレイしてもらえる導線ができました。

自分でプレイしながら気付く」というのは、個人開発の強みだと感じます。

締切を設定したことの効果

5/30 をリリース予定日にすると、開発初期に決めました。

決めた理由は、Claude Code コーチングで「毎月、個人開発で1つリリースする」というルールを自分に課したから。それを決めたのが5月初旬で、自然と「5月中にリリース = 5/30」が締切になりました。

締切設定の最大の効果:完璧主義の排除

締切があると、自然と「完璧主義 → 完了主義」に切り替わります。

  • 「もうちょっとデザイン磨きたい」→ リリース後でいい
  • 「この機能も欲しい」→ リリース後でいい
  • 「テスト完璧にしたい」→ 致命的バグだけは潰す

「とりあえず動く、最低限の完成度」をリリースの条件にすることで、永遠の先送りを防げます。

締切がなかったら、たぶん私は永遠にリリースできていなかったと思います。

「もうちょっと、もうちょっと」と完璧を追い求めて、結局世に出ない、というのは、個人開発の最大の罠だと感じています。

やる気を維持した方法

3週間、ほぼ毎日コミットを続けられたのは、仕組み的にやる気が落ちないようにしていたからです。

とにかく、やるしかない環境づくりを徹底しました。

1. モーニングメソッド(MM)による習慣化

毎朝5時起き、SAVERS(瞑想・アファメーション・イメージング・運動・読書・日記)を続けています。3月から始めて、現在70日以上継続しています。

朝の習慣が安定していると、開発時間も自動で確保できます。

2. 認知科学コーチング

「自分の変え方」という認知科学コーチングの本を読み、衝撃を受けたのがきっかけです。

Claude Code に「コーチ役」を担ってもらい、毎週2回以上セッションを実施しました。

自分のモチベーションが本当に働くサービスは何か」を、コーチング的な対話で探りました。

激薬連打を選んだのも、コーチングでの「過去の自分を救いたい」という気付きが原点です。

3. X(旧Twitter)での進捗ポスト

#個人開発 #buildinpublic を付けて、毎日進捗ポスト。

  • 「今日はこの機能を実装した」
  • 「ここで詰まった」
  • 「リリースまで残り◯日」

人に見られている前提で進めると、サボりにくくなります。

4. 妻・友人への宣言

家族や友人、Xで「5/30 にリリースします」と宣言。

特に妻には、コーチングで決まった瞬間に伝えました。身近な人にコミットすると、撤回しにくくなります

5. Claude Code との「並走感」

個人開発は孤独です。

でも Claude Code を使っていると、「相談相手がいる」感覚で進められます。エラー、設計判断、技術選定、メンタル面まで、なんでも壁打ちできる。

これは、過去の個人開発と比べて、明らかにモチベーション維持に効きました。

6. ペルソナを「現在/過去の自分」に設定する

ペルソナを「現在の自分」「過去の自分」にすると、開発が圧倒的に楽になります。

  • ユーザーが何を欲しがるか → 自分が欲しいから分かる
  • どんな体験が嬉しいか → 自分が嬉しいから分かる
  • どこで詰まるか → 自分の過去の苦労を思い出せる

ペルソナ設定で迷う必要がなく、判断に迷ったときも「自分ならどう感じるか?」で決められる。

これは、モチベーション維持に直結します。「自分のため」だから、続けたくなる。

プログラミング実装の「楽しさ」

ここまで「やる気維持の仕組み」を書いてきましたが、そもそもプログラミング実装そのものは、めちゃくちゃ楽しかったです

  • 入力された文字を判定して、スコアが動く
  • 気持ち良い効果音が鳴って、アニメーションが走る
  • 自分が書いたコードで、画面がどんどん思い通りに動いていく

「自分の頭の中にあったイメージが、画面上で実際に動く」体験は、何度味わっても新鮮で、本当に楽しい時間でした。

個人開発を続けられる原動力の一つは、この「プログラミング実装の楽しさ」だとも思います。

一番苦労した:インフラ構築

逆に、3週間の中で一番つらかったのは、インフラ構築の部分でした。 私はもともとインフラ知識にはあまり自信がありませんでした。

具体的には:

  • Vercel のデプロイ設定
  • 独自ドメイン取得・設定
  • Cloudflare との連携
  • Supabase の RLS(Row Level Security)設定
  • メールインフラ構築

プログラミングは、自分で書いていて「楽しい」と感じる作業です。

でもインフラは、「わからないことが多くて、Claude Code に全部教えてもらうしかない」状態でした。「これで本当に合ってる?」と不安を抱えながら進める作業は、正直楽しくない。

ただ、ここを乗り越えないと公開できないし、良い学習と経験だと自分に言い聞かせて、淡々と進めました。

「障害は前進を妨げない。障害こそが道になる。」

古代ローマ皇帝 マルクス・アウレリウスの思想に基づく言葉です。

この言葉をモーニングメソッドのアファメーションに取り入れています。

Claude Code 時代の個人開発

最近は、Claude Code をはじめとする AI 開発ツールの登場で、非エンジニアの方でも個人開発に挑戦し、形にしているケースが増えてきています。

私自身もエンジニアではありますが、専門は PHP/Laravel で、フロントエンド(React/Next.js)は初心者寄りの状態でした。それでも約3週間で本番リリースまで持ってこられたのは、Claude Code の伴走があったからです。

「エンジニアじゃないから開発できない」という時代では、もう無くなってきています。

「やりたい」「作りたい」という気持ちと、AIに伴走してもらいながら進める姿勢があれば、誰でも形にできる時代になっていると感じます。

個人開発の最大の敵:モチベーション切れ

個人開発の最大の敵は、「モチベーション切れ」だと、私は思っています

技術的なハマりは、Claude Code に聞けばだいたい解決します。

インフラの問題も、調べれば乗り越えられます。

でも、「そもそも続ける気が起きない」状態になると、何も進みません。

そして、モチベーションが切れる最大の原因は、「自分が本当に作りたいものを作っていない」ことだと、私は感じます。

「儲かりそう」「流行ってる」「他の人が褒めてくれそう」というだけで選んだサービスは、3日もすれば手が止まります。

「このサービスって、本当に世の中に必要とされているんだろうか?」という疑問が何度も浮かぶようでは、続けることが苦痛になってくるでしょう。

逆に、「自分が本当に欲しかったもの」「過去の自分のような人を救いたい」という動機があるサービスは、自然と手が動く。

これから個人開発に挑戦する方には、ぜひこれを伝えたい。

何を作るか、で全てが決まる

技術選定や開発スピードよりも、「何を作るかの選び方」の方が、遥かに重要だと思っています。


最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!

開発中のサービス『激薬連打』

この記事の主役、『激薬連打(げきやくれんだ)』は、薬剤師・薬学生のための薬名タイピングゲームです。

2026年5月30日(土)10:00、ベータ版をリリース予定です。

過去の自分のような薬学生・新人薬剤師に届けるサービスとして作りました。

サービスの詳細は、LP からご覧いただけます。

👉 激薬連打 LP はこちら: https://gekiyaku-renda.com/ ※ PCブラウザ専用です(モバイル非対応)


しばやま (@shibayama_wks)